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誘拐児

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誘拐児 / 翔田寛 / 講談社 / P 360
 第54回江戸川乱歩賞受賞作

営利誘拐ほど割に合わない犯罪は無い。
まず、誘拐した人間の扱いに苦労するものだ。
犯人は自分の顔や身分を知られてはならず、
監禁場所からの逃亡や外部への連絡も阻止しなければならない。

食事や排泄の世話に難儀するのはむろんのこと、
その人間の体調も維持しなければならない。

そうこうしているうちに、往々にして犯人は
誘拐した相手から顔を覚えられたり、
正体を見破られたりという失態を犯すのだ。

さらに、逃げられそうになって、
焦って殺人という取り返しの付かない大罪を
犯すということも稀ではない。
営利誘拐と殺人とくれば、死刑に最短距離だ。

だが、何よりも厄介なのは、身代金を手に入れる場面だろう。
誘拐された側の家族はどれほどの脅しをかけても、
例外なく警察に連絡するものだ。
つまり、誘拐犯が身代金に近付くことは、
十重二十重に張り巡らされた網の中へ、
自ら飛び込むことを意味する。

ところが、ひと月前ほどの7月10日、またしても誘拐事件が起きた。

               (本文中より)
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by yuyukan12 | 2008-12-04 10:02 | 読書記録 | Comments(0)

感謝の心と笑顔で、在宅酸素療養の日々を過ごしています。 misaki


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